こんにちはtomoです!
今回は、山口周さんの名著「なぜ世界のエリートは美意識を鍛えるのか?」を紹介していきます。
こちらは、いまビジネス業界でも注目を集めている「アート思考」についての本です。
あなたはアート好きですか?
見るのは好きでも・・・「描いたりとか分析とかセンスとかは自信ない」
そういう方は多いと思います。
大丈夫です!美意識を鍛える上でセンスや才能は関係ありません。
ぜひアートを楽しんで、日々の生活の質を上げて行きましょう!
この記事を読んでほしい人
・ビジネスや日常の質を上げたい
・美意識を鍛える理由や方法を知りたい
・世界のエリートがアートを学ぶ理由を知りたい
🎨なぜ世界のエリートは美意識を鍛えるのか?
「論理や理性」
だけでは現状解決できない問題が多発しているからです。
「感性や直感」
を使った方が正確で早い。
もちろん議論すれば負けるんで、軽視されるようになってきて今に至ります。#アートリテラシー#現代アート#アート好きと繋がりたい— tomo@アートの学校 (@to_artliteracy) February 25, 2021
美意識を鍛えることが重要な理由は、「論理や理性」 だけでは現状解決できない問題が多発しているからです。
そんな現代はVUCAの時代と言われています。
VUCAとは・・・
変化が激しく不確実な世の中であるということですね。
なんのために美意識を鍛えるのかというと、社会の変化に対応していくために【アート思考】を取り入れる企業やビジネスマンが増えています!
なぜ美意識を鍛えるとVUCAに対応できるのか解説していきます。
画歴20年の画家で、現在は高校美術教師をしています。
東京藝術大学日本画科を卒業し、ドイツで現代美術を学んできました。
今回は【美意識を鍛える】ことが重要な理由について解説していきます
アート思考について詳しく知りたい方にはこちらの記事がおすすめです↓
≫【13歳からのアート思考】大人になるとできなくなる衝撃の理由とは?
なぜ世界のエリートは美意識を鍛えるのか?
グローバル企業が世界的に著名なアートスクールに幹部候補を送り込む、あるいはニューヨークやロンドンの知的専門職が、早朝のギャラリートークに参加するのは、虚仮威しの教養を身につけるためではありません。彼らは極めて功利的な目的のために「美意識」を鍛えている。
なぜなら、これまでのような「分析」「論理」「理性」に軸足をおいた経営、いわば「サイエンス重視の意思決定」では、今日のように複雑で不安定な世界においてビジネスの舵取りをすることはできない、ということをよくわかっているからです。
山口 周. 世界のエリートはなぜ「美意識」を鍛えるのか?~経営における「アート」と「サイエンス」~ (Japanese Edition) (Kindle の位置No.117-121). Kindle 版.
山口さんはこの根拠を3つ書いています。
①論理的・理性的な情報処理スキルの限界が露呈しつつある
正しく論理的・理性的に情報処理をするということは、「他人と同じ正解を出す」ということでもあるわけですから、必然的に「差別化の消失」という問題を招くことになります。
「正解のコモデティ化」「方法論としての限界」
たくさん会議すれば、いいものができるというわけではないってことだね!
②世界中の市場が「自己実現的消費」へと向かいつつある
このような状況では、精密なマーケティングより人の承認欲求や自己実現欲求を刺激するような感性や美意識が重要になります。
マズローの欲求階層説、「ローバート・ウィリアム・フォーゲル」の考察
商品を買ってもらうだけじゃ足りなくて、握手券がついてたり付加価値をつけることが求められてるってことかな!
③システムの変化にルールの制定が追いつかない状況が発生している
現在のように変化の早い世界においては「法律の整備が追いつかない」という問題が発生しています。
明文化されたルールを拠り所に判断をしていると、旧ライブドアや一連のDeNAの不祥事のようことが起きて非常に危険です。
内在的な「真・善・美」を判断するための「美意識」が求められることになります。
そもそもの経営方針や事業内容が社会にとっていいものなのか?
企業自身が見極めていかないと大変なことになってしまうんだよ
ちなみにGoogleは、人工知能ベンチャーのディープマインド社を買収したときに人工知能の暴走を防ぐための倫理委員会を設置したそうです。
やっぱGoogleってすごいなと改めて思いますね。
以上の3つの点から世界のエリートは「美意識」を利己的に鍛えていることがわかります。
では、美意識をどのように鍛えればいいか紹介します。ここからは得意分野w
【美意識】の鍛え方
山口周さんの考えに基づいて書いていきます。
著書で紹介されている方法(根拠・くわしくはぜひ本で)
- アート鑑賞(ノーベル賞受賞者は一般人より2.8倍も芸術的趣味を保有)
- 哲学(悪は「無批判にシステムを受け入れること」なので、物事を深掘りする哲学は最適)
- 詩(偏差値は高いけど美意識は低い人の共通点として、文学に興味がない)
ぼくも哲学や詩は重要だと思っていて、哲学では特にストア哲学やデューイのプラグマティズム、リオタールのポストモダンなど大好きです!
詩はなかなか馴染みがないのですが、谷川俊太郎さんの詩集を職場において、一節読んでから仕事するなどしています。
読後に不思議な浮遊感があるので、なんだか高尚な人間に慣れたかのような勘違いができます。←だめかも(笑)
アート鑑賞は、VTS(Visual Thinking Strategy)という方法を著書では紹介されています。
参加者には徹底的に作品を「見て、感じて、言葉にする」ことが求められます。
例えばこのような絵を見て、司会が行うのは次のような質問だけします。
1 何が描かれていますか?
2 絵の中で何が起きていて、これから何が起こるのでしょうか?
3 どのような感情や感覚が、自分の中に生まれていますか?
ぜひ機会があればVTSに参加してみてください。
次は【美意識】鍛えて、成功のために何をすべきかを紹介します。
≫クレーの描いた絵に、谷川俊太郎さんの詩が載っている詩画集もおすすめです。詳しく知りたい方はこちら
アートやビジネスの成功に必要なものは『世界観とストーリー』
美意識を鍛えて、VUCAに備える。
守りの意味でも必要ですが、攻めでも美意識は重要だとされています。
主に「イノベーション」などの斬新なアイデア、「時代を捉えた戦略」などを生み出す源泉として期待されている。
よくある誤解なのですが、イノベーションが必要だとよく言われますが・・・
イノベーション、つまり革新的なアイデアはそれだけでは簡単に真似されてしまいます。
アップルの成功の秘訣はイノベーションだと思われていますが、こちらも間違いです。
技術やデザインなどは、簡単に真似できてしまうのです。
それでもアップルが強いのは、デザインやプロダクト全般を通して貫かれた「世界観とスティーブ・ジョブズを中心に据えたサクセスストーリー」です。
世界観やストーリーは、そう簡単に真似することができません。
時間をかけて作り上げていくものだからですね。
アーティストの成功にも『世界観とストーリー』
世界的に成功しているアーティストには漏れなく『世界観とストーリー』があります。
ゴッホ、ダリ、ダヴィンチ・・・は言うに及ばず。
村上隆、草間彌生、バンクシーもそうです。
ゴッホを例にするなら
作品も確かに素晴らしいと思いますが、それ以上に下記のような話の方が有名です。
ゴッホの有名なストーリー
- 生涯に絵は2枚しか売れなかった
- 耳を切り落として娼婦にプレゼントした
- 拳銃で自殺した
などなど
狂気の画家としての物語と牧歌的な画題、独特なタッチによる精神世界を描き出したことで今のゴッホのイメージ、存在が形作られていると言っても過言ではありません。
これらは、キュレーション・マネジメントされてゴッホの死後、作られたものとも言えます。
アーティストの成功は、作品のクオリティのみによって決まるわけではないということがここからも分かりますね。
まとめ:【美意識を鍛える】イノベーションよりも世界観とストーリーが重要な理由
アート思考やデザイン思考など様々なアプローチでイノベーションを起こそうという流れを感じる昨今ですが・・・
イノベーションは必要だけど、それだけでは足りないことがわかっています。
『世界観やストーリー』を築いていくには、時間とビジョンが必要になります。
そのビジョンを描き出すために、美意識を鍛え、アート思考を使っていく必要がありますね。
それではまた!
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