こんにちはtomoです!
今回はたくさんある【アクリル絵の具】の種類を紹介していきます。
日々進化する【アクリル絵の具】は、あなたの知らない使い方にまで対応してくれるかもしれません。
たくさんある絵の具を実際に使ってみた感想や比較画像などを充実させながら記事を書いていきます。
「この種類はこんな人にオススメ」など、種類ごとに書いていきます。
【そもそもアクリル絵の具ってなに?】という方はこちら↓
≫【誰でも簡単】アクリル画の描き方&始め方について〜基礎から応用まで〜
この記事を読んでほしい人
・【アクリル絵の具】っていっぱいあってよく分からない〜!
・「ガッシュ」とか「レギュラー」って、カタカナばっかで意味不明
・【アクリル絵の具】ってそんなにたくさん種類あるの?!
アクリル絵の具の進化はITなどに比べたら、ゆっくりとですが確実に進化していますw
油絵具や日本画の絵具、水彩絵具などは、もうそれほど変わるようには思えません。
それに対して、アクリル絵の具はまだまだ可能性を秘めた絵の具ですね!
この記事を読むメリット
・【アクリル絵の具】の種類が分かる
・【アクリル絵の具】の使い方が分かる
・自分に合った【アクリル絵の具】を選べるようになる
画歴20年の画家で、現在は高校美術教師をしています。東京藝術大学日本画科を卒業し、ドイツで現代アートを学んできました。
ぼくが日頃使っている便利な【アクリル絵の具】について紹介していきます!
【アクリル絵の具】はたくさんの種類があるので、わかりにくいですよね〜。
基本をおさえてしまえば、あとは好みの問題なので気楽になります。
正解や不正解のある話ではないので、ぜひ気楽に読んでみてください。
失敗から生まれた表現が最高に良かった!
なんてこともありますからねw
でも、ある程度理屈がわかっていないと再現不可能になってしまいます。
ぜひ参考にしてください。
【アクリル絵の具】を「5種類+α」紹介
【アクリル絵の具】には大きく分けて2種類、細かく分けると5種類以上あります。
ザックリの表です。
アクリル絵具の種類
- アクリル絵の具「ガッシュ」・・・不透明
- アクリル絵具「レギュラー」・・・透明
- フルイド・・・インク状
- アキーラ・・・固まっても水で溶ける
- ジェッソ・・・下地材
- その他・・・布絵の具、胡粉ジェッソなど
それぞれに全く違う特徴があるので、個々に説明していきますね。
気になるところだけを見てください。
まずは初心者さんに特におすすめしたい、オーソドックスな「ガッシュ」と「レギュラー」の2種類を紹介します。
とりあえずはこの2つを押さえたらOKです!
アクリル絵の具【ガッシュ】は、不透明な絵の具
こんな人にオススメ
・イラスト、ポスターなどを描きたい
・デザインの勉強をしている
・マットな表現をしたい
アクリルガッシュは「不透明」な絵の具です。
重ね塗りすると、下の絵の具が透けて見えないので、ムラのないマットな表現ができます。
三菱鉛筆の販売しているペンですが、ポスカなんかもこのアクリルガッシュに分類されます↓
このように、下の絵の具が透けないので重ね塗りが綺麗にできます。
デメリットとしては、割れやすいという特徴もあります。
この作品で、建物部分に使用しているのがアクリルガッシュです。
手前の植木や空は、普通のアクリル絵の具(レギュラー)を使用しています。
マットで均一な表現ができることが特徴です。
こっちの画像はわかりやすく割れてしまいましたね。
定着はしていますが、ボロボロにひび割れているのがわかりますね。
つまり、厚塗りには向かない絵の具だということです!
顔料だけが表面に露出しているので、割れやすく不透明になるってわけですね。
この写真は、上から「透明・半透明・不透明」の絵の具を比較した写真です。
「光沢」と「透明度」に違いがあることが伝わりますか?
絵の具が完全に乾燥した状態です。
左から順に「光沢」が無くなっていることがわかると思います。
[透明→光沢が減って→不透明]になっていきます。
アクリル絵の具【レギュラー】は、透明な絵の具
こんな人にオススメ
・本格的な絵画制作をしたい人
・古典の西洋絵画のようなぼかしの技法などを行いたい人
・細密着彩などのリアルな表現をしたい人
「透明」な絵の具です。
塗り重ねると下の色が透けて見えます。
そのため、積み重ねによる多彩な表現が可能になります。
主に油絵のような、リアルな表現ですね!
こんな感じで、筆跡をぼかして写真のような表現が可能になります。
光の表現などのグラデーションはガッシュには難しいですね。
グラデーションをするとしても、アニメのような割り切った表現しかできません。
一番上の絵の具がもっとも透明度が高いです。
光沢もありますね。
バインダーのアクリル樹脂が顔料の間にあるので、光沢や透明感を出してくれます。
厚塗りや重ね塗りなど、様々な技法に対応できます!
このあとは、アクリル絵具のその他4種類のバリエーションを見ていきます。
「ガッシュ」か「レギュラー」で絵の具を探している方はこちらの記事へ↓
≫【アクリル絵の具】どれを選べばいい?「結論」ターナー社がオススメ|ランキングで紹介
【フルイド】は、インク状の絵の具
フルイドがオススメな人
・エアブラシを使いたい人
・ポーリングアートに興味がある人
・ドリッピングなどのモダンテクニックに挑戦したい人
【フルイド】は、インク状の絵の具で、液体状の絵の具なのでそのまま使うことができます。
最近では、フルイドアート、ポーリングアートという手法で流行っています!
また、さらに薄めてエアブラシで拭いたりといった表現が可能です。
普通のアクリル絵の具を薄めていくこともできるのですが・・・
フルイドなら、透明度や発色がよく美しく仕上がります。
・・・あと水やメディウムで薄めるのは単純にかなりめんどいですw
ポーリングといえば、ジャクソンポロックのポーリングが有名です!
しかし、そんなところは飛び越えて流行しているみたいですねw
確かに楽しそうです!
ぼくも近々やってみて、やり方などを記事にしたいと思います。
ぜひ一度挑戦してみたいですよね。
普通のアクリル絵の具に、洗濯のりやポーリングメディウムを混ぜれば作成可能なようです!
しっかりとした強度や耐候性などを求めるのであれば、下の本物のフルイドを使いましょう。
エアブラシ用の絵の具としてもオススメです。
水で溶いて吹きます。
ぼくも学園祭の看板やステンシルの作品などで使ってきました。
グラデーションがめちゃめちゃうまくいきます!
デメリットは、鼻の中が七色になることです。
ガスマスクなどでしっかり対策しましょうw
人生でガスマスク使うことってなかなかないので、ちょっとSF気分でテンション上がりますよ(笑)
ちなみに大学の生協でガスマスク買いました。
≫ 【最後の秘境 東京藝大―天才たちのカオスな日常】 というマンガにも出てくるエピソード
【アキーラ】は、3日ほっといても溶けます
アキーラがオススメな人
・うまく片付けができない低学年の子供
・ガラスや金属板に絵を描きたい人
通常のアクリル絵の具とは使われているバインダーの種類が違います。
アキーラに使われている樹脂は、アルキド樹脂というものです。
車の塗装にも使われるほどのバインダーなので強度は十分!
アクリル絵具のデメリットに・・・
「固まってしまうともう溶けない」
「油絵具の上には描けない」
などの弱点があります。
この絵具は3日ほど放っておいても水で溶くことができます。
完全に固まれば、通常のアクリル絵具と同じく耐水性になります。
通常乾燥は30分、完全に乾くまでは約1ヶ月半かかるそうです。
さらに、鏡や金属や油絵具の上からも綺麗に塗ることができます!
非常に固着力が強い絵具です。
低年齢層の子供や自宅で気軽に使用する際に向いている絵具ですね。
工作物に塗るのも簡単で、ムラなく塗れるのでキレイに仕上がります!
・・・という話なので、検証します!
アキーラは現在、ガッシュしか取り扱っていないようなのでガッシュで比較します!
左から、アキーラガッシュ(クサカベ)、ホルベインアクリルガッシュ、ターナーアクリルガッシュを使用しました。
違いがよく分からなくない?
引っ掻いてみよう
違いがよく分からなくない?
一応重ね塗りも試してみよう!
違いがよく分からなくない?
耐水効果は一番強いかも。
他の絵の具に比べて乾きづらいのは、ちょっとイラッとするかもw
乾いたらちゃんと洗えるのかも試しました!
普通のアクリル絵の具なら、洗えないところが、アキーラは結構きれいになりますね!
子供が使う場合や工作の塗装用などにはオススメですね。
正直、大人が使うアクリルガッシュとしては微妙です。
ジェッソやメディウムを使いこなせる人であれば、正直いらない子かなと。
ガッシュは乾くのが早いというメリットがあるのに、そこは完全に対応していないところも痛いかな・・・。
【ジェッソ】は作品の「下地」を作る
ジェッソがオススメな人
・本格的な絵画制作や塗装がしたい人
・コンクリートや木材などに絵を描きたい人
・大容量ガッシュ絵具が必要な人
ジェッソとは、下地材のことです。
絵を描く前の段階で使うものですね。
このように、様々な素材に絵を描く環境を整えてくれます。
絵具の発色と定着を良くしてくれます。
アクリル絵の具、油絵具、水彩絵具などの下地に使用できます。
また、大容量のガッシュ絵の具としても使うことができます!
安価で大量に手に入るので、コスパもいいです!
水溶性で、やわらかい乳液状なので浸透が良く、速乾性。
乾くと耐水性になります。
乾燥時間は1~5時間ほどです。
塗り方としては、ローラーや刷毛で塗ります。
原液か20%くらいの水で薄めて塗ります。
服や床などに付かないようにシートや服装に気を付けてください。
カラージェッソもあります!
ぼくはよく、カラージェッソを使用して下地に色を付けます。
時短になるのと、キャンバスの目の粗さを揃えるためですね。
購入したばかりのキャンバスにもほとんどのものが地塗りがされています(白くなっていれば)。
さらにジェッソを重ねてやすりがけなどをすることで、描き心地の良い画面を作ります。
セラミックスタッコ(砂入りのジェッソ) ジェッソの上に紫陽花の葉+にじみ ジェッソの上にスポンジ
他には、ジェッソの中にざらざらの砂を混ぜたり、あえて厚塗りして模様をつけたりして画面に凸凹をつけることもあります。
アクリル絵の具の中に混ぜてもできますが、圧倒的に定着力が高いので下地の段階でそういった処理をしていきましょう。
コスパも上がりますしね!
新しいアクリル絵の具:布絵の具、胡粉ジェッソなど
この記事を書きつつ「こんなのもあるんだ!」と発見した絵の具などを紹介していきます。
ほんとに色んなものがあります!
布えのぐ
布専用の水彩絵の具です。
他のアクリル絵具と同じように使うことができて、綿や麻、ポリエステル、デニムなどの布地に描けます。
アイロンでの熱処理は不要です!
乾燥後はゴワツキがなく、洗濯が可能。
ドライクリーニングは不可だそう。
シルクスクリーン用の絵の具は昔からありました。
それを、扱いやすく小さくパッケージしたものという感じですね!
エコバック作りなど、これを使えば楽しくできそうですね!
胡粉ジェッソ
日本画材として使えるアクリル絵の具ですね!
まだ試したことはないのですが、これは便利そう!
ジェッソの白も炭酸カルシウムなどが入っているのでもともとの成分的にそれほど違いはなさそうです。
「硬練り」の表示有りと無しが有ります。
顔料の量が通常のジェッソより多く粉っぽい表情になりそうですね。
今度ぜひ試してみたいと思います。
まとめ:【アクリル絵の具】徹底解説!オススメな5種類+αを紹介|実際に使った感想は?
今回はアクリル絵の具のバリエーションを紹介してきました。
それぞれの特徴をまとめると・・・
アクリル絵具の種類
- アクリル絵の具「ガッシュ」・・・不透明
- アクリル絵具「レギュラー」・・・透明
- フルイド・・・インク状
- アキーラ・・・固まっても水で溶ける
- ジェッソ・・・下地材
- 布絵の具、胡粉ジェッソ・・・進化するアクリル絵の具
こんな感じですね!
まず「ガッシュ」と「レギュラー」の違いを抑えておきましょう。
不透明と透明の違いを理解しておけば、表現の幅がめちゃくちゃ広がります。
その上で、フルイドやアキーラなどの変わり種も使いこなしていくことでアクリル絵の具を楽しく使うことができますね!
ジェッソが気になるようになったら、初心者脱出です。
ぜひ自分好みの下地を研究して、表現を極めていきましょう。
アクリル絵の具の進化は、静かに進んでいますw
タンクのような容器に入ったジェッソが主流でしたが、今はスタウトパックに入ったものが人気です。
布絵の具や胡粉ジェッソなどの新たな商品も出ていますね。
ぼくもまだまだ研究の途中です。
ぜひ一緒にマスターピースを作るまでの長い制作時間を楽しんでいきましょう~!
それではまた!