こんにちは!tomoです。
画歴20年の現役作家です。東京藝大の日本画科を卒業しており、現在は高校で教員をしています。
今回は、色鉛筆を使ったデッサン方法を紹介していきます。
色鉛筆を使っていますが、要はデッサンです。
色鉛筆に慣れておくと絵画制作のエスキース(下絵)などに応用できたり、ちょっとした時間で色付きの絵が描けたりします!
なにかと便利なスキルなのでぜひ練習しておきましょう!
色鉛筆デッサンのメリット・デメリット
メリット
- 絵具を準備しなくてもできる
- 片付けもラク!
- 水彩用色鉛筆なら水彩にもできる
デメリット
- 迫力に欠ける
- 密度を出すのに時間がかかる(難しい)
デメリットもありますが、目的を練習や習作と割り切ってしまえば、メリットしかありませんのでご安心ください!
この記事はこんな方にオススメ
・デッサン力を上げたい
・絵具を準備できない、したくない(笑)
・屋外で気軽に描きたい
使用する道具
色鉛筆
色を重ねて変化をだすためです。
この色鉛筆は水に溶けるので水彩としても使えますよ!
鉛筆
練り消し
時間と目標を決める
描き始める前に、取り組む時間と目標を決めておきましょう。
受験生のようですが時間と目標を決めておかないと・・・
いつまでも描いてしまうなど絵が進まない原因になります。
参考までに今回の私の時間と目標です。
時間「2時間以内」
目標「手順を踏まえた実践的解説を前提のデッサンと資料を残す」
私が選んだモチーフはこちら↓
鉛筆削りです。
ちょっと難易度は高めです。
最初は、リンゴやカボチャなどの生きたモチーフを選ぶことをおすすめします!
それでは解説していきます。
やさしく形をとる(最重要)
やさしく描いていきます。空気を捕まえるような感じでフワッと形をとることがコツです。
ここでゴリゴリ描いてしまうと、最後まで形を正確にとることが難しくなります。
なかなか一度決めた線を直すことができません。
何度も何度も同じ線をなぞってしまいます。
デッサンでは、モチーフが先生です!
自分の描いた線を徹底的に疑ってみてください。
実はこの段階で上手くいくかどうかの7,8割が決まるといっても過言ではありません。
中心線を引く(補助線を引く)
今回の場合、鉛筆を入れる穴のある面や、上の面などですね。
線を引くとバランスが見やすくなります。
手前と奥を描きわける
また、手前をざっくりと大胆に、奥を繊細に細かく描くと前後を描き分けやすくなります。
ただ、これはあまりやりすぎるとわざとらしいです。
ほどほどにしましょう。
質の違いを描きわける
今回のモチーフを例にすると、「透明」「プラスチック」「鏡面」「影」などの要素があります。
これらを描きわけることで、リアルな雰囲気が出るわけですね。
ふわふわのパンなら、力を抜いてやさしく“ふわふわ“と唱えながら描く。
岩石のようなものなら”ゴリゴリ”と描くといった感じです。
影の描き方
H系の鉛筆を使いましょう。
影は「静かに」描きましょう。
こする際は影側のみをこすりましょう。手前や光の当たった明るい部分をこすってしまわないように気を付けましょう!
ぼくはこすり病と呼んでいます(本当)
全部こすると全体的に鈍って見えるので気を付けましょう!
仕上げ
以下のチェックリストを使って仕上がりをチェックしてください。
以下の点が上手くできていればかなりのクオリティになっていると思います。
もし上手くいっていないとしても、以下の点に気を付けて描きこんでみてください。
印象がかわりますよ!
チェックリスト
□手前の形 → 前にでてきているか、ちゃんと描かれているか
□モチーフと台の接点 → 濃い色で描かれているか
□影 → しっとりしているか、うるさすぎないか
□反射光 → 明るさが出ているか、光源の再確認
□奥の形 → 一番遠いところをちゃんと描いてあるか
まとめ:東京藝大日本画科卒が教える【正しい色鉛筆デッサン】の方法
今回は色鉛筆デッサンについて紹介しました。
色鉛筆とはいえ、基礎デッサンに通じるポイントを解説してきました。
絵画とは違いますが、共通しているところは多いです。
絵を始めたばかりの人は、制作の合間に少しでも基礎デッサンなどをやることで日頃の絵やイラストが上達することを実感できますよ。
それではまた!
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