ディック・ブルーナ『うさこちゃん びじゅつかんへいく』(福音館書店)
こんにちは、tomoです。
このブログでは「アートリテラシーを高めて豊かな人生を楽しむ」をテーマに発信しています。
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今回は、抽象画の巨匠モンドリアンについての解説を行っていきます。
モンドリアンは抽象画を発展させた代表格です!彼の作品とミッフィーの比較を通して、抽象画の楽しみ方を伝えていきたいと思います。
この記事はこんな方にオススメ↓
- 抽象画ってなんだか難しそう
- 現代アートを見ることにまだ抵抗がある
- 抽象画は苦手だけど分かるようになりたい
ピエト・モンドリアンとディック・ブルーナについて
ピエト・モンドリアンについて
モンドリアンの代表作は、非常にシンプルな色面と線で構成された絵画を描いています。モンドリアンの作品でよく使われるタイトルは『コンポジション』です。”構成”や”配置”という意味合いですね。
こんな言葉も残しています。「美の感動は、いつも『対象』の特有な外見によって妨げられる。だから、あらゆる具象表現から対象を抽象化する必要があるのだ。」
ディック・ブルーナについて
ミッフィーの生みの親です。可愛らしいシンプルな絵柄は世界中で受け入れられ、今もなお人気ですね。ブルーナはオランダのグラフィックデザイナーでした。
シンプルな線と色面で構成されたブルーナの絵は子供が見たときに自由に、目いっぱい想像できる。そうあってほしいという想いがあったそうです。
ブルーナもモンドリアンと同じオランダ出身です。抽象画家として活躍しました。色の配置は常に絶妙ですね!
モンドリアンとミッフィーは要素が同じ
モンドリアンもミッフィーも太めの線と面で構成され、抑制された色遣いで表現されています。
先ほど紹介したモンドリアンの言葉にあるとおり「美の感動は、いつも『対象』の特有な外見によって妨げられる。」というのはデザインなどの分野では、今となっては割と当たり前の概念になっています。
色や形などはかなり主張が激しいです。それを単純にしたり、色数を抑えたりすることで統一感を演出したり、鑑賞者の想像力に訴えかける要素が増します。
モンドリアンの『林檎の木』
モンドリアンの抽象画の出発点といえばこの作品です。当時モンドリアンもパリにいて、ピカソやブラックのキュビズム絵画の影響を受けました。
そこから着想を得て、試行錯誤していった過程が「林檎の木」で、いくつかの絵が残っています。具象的に描かれたものから徐々に抽象化していっていますね。
抽象画は現代アート?答えは近代アート
抽象画は正確には近代アートという括りになります。ピカソなども活躍した19世紀前後の美術がそれにあたります。諸説ありますし、何を基準に語るかで、その辺の時代の区分けは曖昧になります。その近代美術の中でもモンドリアンは現代に大きな影響を与えたと思っています。
まとめ
抽象画家としての彼らの功績は、シンプルな構成にしたことで鑑賞者の想像力を解き放ち、あらゆる判断や価値観までも委ねます。そこには自由な想像を促す仕掛けがあります。
ミニマリストという言葉がずいぶん一般的になってきました。その根源は彼らから始まったと思います。抽象化して雑多な情報を排除していくスタイルは後世のミニマルアートに繋がっています。
近年は具象絵画のほうが人気が高いですが、そういった流行というのは繰り返すもので、どちらのほうが良いといった話ではありません。それこそ中華料理かフランス料理どちらが美味しいか?みたいなことで、人によるし、体調によるし、直前に何を食べたかでも変わりますよね?
これは私の想像と偏見なのですが、「不景気には具象が流行り、好景気には抽象が流行る」と思っています。具象は見たままなので安心できます。価値を感じやすいです。具象にも細かな設定や意味合いなどありますが、そこまで読み取らなくても、見てわかるリアルさに説得力を感じて安心できるのでは?と思っています。
反対に抽象は、鑑賞者の心ひとつで印象はずいぶん変わってきます。余裕や創造性を持った人でないと純粋に楽しむことは難しいかもしれません。そのため、流行として多くの人が良いと認めるような時期にしか流行らないのでは?と考えています。
抽象絵画は創造性・想像性を高めます。また色彩の配置感覚なども鍛えてくれます。色に迷ったり、家具の配置に迷ったときは彼らの絵を思い浮かべると、非常に参考になると思います。
アートリテラシーを高めて豊かな人生を送りましょう。
それではまた!