こんにちはtomoです!
日本画には歴史や伝統もあり日本人に愛される特有の情緒などがあります。
しかし、日本画は初心者の方が始めるにはハードルの高いジャンルです。
道具も専用のものが多く、名前も小難しいものが多いです。
それでも「やってみたい!」という方は多いのです。
よくある不安や悩み
・日本画の始め方について書かれた本や技法書など読んでもよくわからなかった
・実際に絵を描くイメージを得たい
・材料は用意したけどどうしたらいいのか分からない
そうした不安もあると思います。
なので今回はそうした悩みを解決できるように、日本画の基礎知識と道具類について書いていきます。
この記事を読むメリット
・日本画とは何か、基礎知識を知ることができる
・日本画材の揃え方などを知れる
・日本画材の使い方を知れる
画歴20年の画家で、東京藝術大学日本画科を卒業しドイツ留学を経て、現代アーティスト、教師、ブロガーとして活動しています。
現在も日頃から日本画を描いたり高校で指導したりしています。
道具の種類、買う場所・方法、使い方、何を描くのかまでこのブログでは丁寧に解説していきます。
今回は【はじめの一歩】として日本画の基礎知識と道具について紹介します。
【日本画】が生まれたのは最近の話
【日本画】という言葉が生まれたのは実はわりと最近の話です。
明治以降に海外から西洋画が入ってきて、それに対して区別するために作られたのが【日本画】という言葉です。
また、絵柄も西洋画に対抗するために木製パネルに分厚い和紙を使い、岩絵具を盛り上げて描くといった現代の日本画の流れはその頃に始まったものです。
【日本画】という言葉が生まれる前は、やまと絵、狩野派、円山派などの流派で親しまれていました。
主な道具の紹介
道具はインターネットでも買えますが、実店舗で購入することをオススメします。
理由は、絵具1色で16種類もの細かさに分かれます。
実際に店員さんに案内を受けながらの方が使い方なども知れて勉強になります。
また、日本画の画材店の雰囲気は格別なのでぜひ訪れて欲しいです。
専門の日本画材店は絵の具や筆の制作所でもあります!
職人さんから直接買うことができるって、今どき希少価値半端ないですよね!?
≫おすすめの日本画材専門店をまとめました東京都内に行ける方はぜひ!
岩絵具
絵具の種類は大きく分けて天然と人工の2種類あります。
天然+天然風
岩絵具は絵具の粒の細かさがあり、1番〜白(16番目)までの16種類もの細かさに分かれます。
天然は本物の宝石です。
宝石を砕いて絵具にします!
群青などは1両(15g)4000円近くするのはそういうわけです。
すごいですよね(笑)
近年は質の高い人造の新岩絵具が主流です。
ガラスに着色したものを砕いて粒子状にしたものです。
こんな感じですね。
1両(15g)いくらと絵具の種類ごとに決められていて、量り売りしてもらえます。
絵具の種類ごとに値段がだいぶ違います。
油絵やアクリルも同じくチューブによって結構値段が違いますよね。
このようにお皿に入れて使います。
水干(人工)
こちらは【水干】といって細かい粒子状の土を染色して作られた絵具です。
これをうまく使うのは非常に難しいです。
生徒にもほとんど使わせないですね。
この絵具のデメリットは「染色」してあること
染料で染めてあるものなので、いつまでも色が浮き上がってきます。
ず~っと色写りする洗濯物みたいなものです。
一度使うと最後まで影響されてしまうので・・・
「使わない方が良い」と生徒にはっきりと言っています。
胡粉(白の絵具)
胡粉は日本画特有の白の絵具です!
牡蠣など貝殻の白いところの粉末を絵具として精製したものですね。
下地材や盛り上げ材など胡粉だけでもいくつか種類があります。
いっぱい・・・(笑)
渋谷にある「ウエマツ」で仕入れたものが多いです。
多摩美の研究室と提携していて、色々と目新しいものを開発していますね。
膠(にかわ)
膠(にかわ)は接着剤です。
日本画の最大の特徴は絵具作りを作家が描く直前に行うことともいえます。
ほぼ最後の仕上げ程度の工程ですが^^
「三千本・鹿膠・兎膠」この辺りが一般的な膠になります。
ボトル入りのもの(防腐剤入り)も市販されていて、こちらの方が使いやすいです・・・
が、これは罠です!全くおすすめしないです!
肝心の定着力が激弱いです!
ドーサを吹いて止めようとしても流れてしまうレベル。
日本画をやるのであれば膠は手作りしたほうがよいです。
液膠に兎膠を追加するという裏技もあるのですが、どのみち固形膠を実践してからですね。
筆・刷毛
平刷毛と線描筆です。
線描筆は天然則妙という清晨堂製の筆で、上質の羊毛に猫の毛を混ぜた筆だそうです。
※徳應軒で直接買うか、ネットで購入できます。
https://www.tokuouken.co.jp/SHOP/97628/98023/list.html
コシも強く柔らかい表現もできる万能選手で、日本画を書き始めた頃から愛用しています。
水彩にも使えるので便利です!
≫Amazon等で購入したい方はこちらをチェックしてください
お皿(パレットとして)
日本画ではお皿がパレットになります。
こういったシンプルなお皿を使っています。
大きいお皿と小さいお皿など用途によって使い分けています。
胡粉を作るときや背景、下地には必須です!
紙
日本画の和紙は麻紙が使われることが多いです。
良く流通しているのは、雲肌麻紙、高知麻紙などです。
たくさん絵具をのせても破けず長持ちします!
ドーサ引きというのは滲みどめのことです↓
自分でできないこともないですが、始めはドーサ引きのものを購入することをオススメします!
ドーサの作り方も後日、記事にしたいと思います。
ドーサは絵を描くのにも使うので、作り方を知っておくといいですからね。
匙(さじ)
こちらは匙です。
絵具を作る際に、膠を入れたり水を入れるのに使います。
この匙を使って入れた膠の量と水の量を測っていくので、必ず匙を使って絵具を作りましょう。
水差し(通称:ピュー)を使っていたら教授に怒られました(笑)
これを使うと、水の量を測れないのでいけません!
パネル
アクリルや油絵でいうと木枠(キャンバスの躯体)の代わりに使うのがパネルです。
麻紙を水張りをして使います。
パネルからはヤニが浮いてきます。
そのためパネル貼りには下張りというものもしなくてはなりません。
下張りには鳥の子紙を使いましょう。
麻紙ボードというものも売られています。
すでに麻紙が貼られてあるボードです。
そのまま使って本格的な日本画を描くことができるので初めて日本画を描くという方にはこちらをオススメしたいです。
小さいサイズですがしっかりしているのでいいです!
金箔・銀箔など
金箔や銀箔なども天然と人工のものがあります。
純金・銀箔などは時価です。本物ですからね。
箔の貼り方やその周辺の道具も別記事で紹介します。
日本画は難しくない
というのは無理がありますかね(笑)
正直ちゃんとやろうとするとこんなにめんどくさい技法はないんじゃないかと思うほどめんどくさいです。
それでも、日本画がこれまで100年以上続いていること、現代人すらも惹きつけてやまないことは事実です。
少しハードルは高めですが、ぜひ本格的な日本画に挑戦してみてほしいです。
なるべく簡単に手間を省いて継続的に日本画を描ける方法を紹介していきます。
それではまた!
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