日常にアートを取り入れる方法【フェリックス・ゴンザレス・トレス】を例に紹介
フェリックス・ゴンザレス・トレスの作品は、キャンディーやクッキーなどをギャラリーや美術館の隅に積み上げ、観客に持ち帰ってもよいと促します。
「それは作品ですか?」
「アートって絵画とか彫刻ではないの?」
という声が聞こえてきそうですが、現代アートの中にはそういうものもあるのです。
そうした作品を「コンセプチュアルアート」といいます。
作品の意図は重層的で一様に解説することは難しいです。
よくできたアート作品とはそういうものが多いですね。
デュシャンなども多様な解釈ができるようにあえて完全な解説や注釈をつけませんでした。
それゆえにいまだに議論が終結しないのです。
美術館などで解説文を読んでいると・・・
『ホントに?』
『絶対ちがう(笑)』
『そんなの見たままやんけ』
とか色々とツッコミたくなる文章を目にすることがあります。
解説文をそのまま真に受けてはダメです。
そして全部読む必要もないですよ。
実はこれちゃんとした鑑賞法なんです。
解説文をテストのために暗記するよりもよっぽど身になります。
自分の感性と向き合い、気づいたことをぼそぼそとつぶやいてみる。
メディアアートで有名な筑波大学教授の落合洋一さんもボソボソ言いながら鑑賞されているそうですよ。
日常にアートをつなぐ
トレスの意図は、クッキーを持って帰ってもらうことで鑑賞者を作品の一部にしたいのです。
ちなみに上の写真の場合は、トレスの指示で1000人の選ばれた一般人がフォーチューンクッキーを作らされます(笑)
ーなぜそこまでさせるのか?
『既存の価値観を破壊し、これまでにない新しい価値を提示すること』
これが現代アートの共通したテーマでもあるからです。
作られたフォーチューンクッキーは、山と積まれます。
そして鑑賞者に持ち帰られて、食べられたり、飾られたり、捨てられたりして、
食べ物に、置物に、ゴミにそれぞれ変化します。
かかわった人々の行動に影響を与える。
ここまでがトレスの作品の内ということになります。
ここまでくると何が「アート」で何が「そうでないか」分からなくなってきますよね?
「そもそもアートは日常にあふれている」
写真を撮ったり、文章を書いたり、イラストを描いたり、You Tubeの動画を作ったり、クリエイターの数は日々増えています。
これは人間が進歩し、発展していること、世界が少しずつ良くなっていることの証拠です。
ベストセラーになった本、ファクトフルネス(ハンス・ロスリング)の中にも書かれていることで、年々新たに作られるようになったギターの数や楽曲の数は衝撃的な量です。
なにげなく日々入ってくる情報を追っているとそんな実感はぜんぜん無いと思いますが、事実はそうなんです。
≫ファクトフルネスが無料で聴ける音声サービスAudibleを紹介しています
アートを日常に取り込む【アクションプラン】
ポイント
・クッキーですら作品になりえることを忘れない
・既存の価値観を疑う
・自分もアーティストなのだと自覚する
ぜひ何か作品を作ってみましょう!
それが難しいよ~、と思う方は・・・
身の回りにある物を手に取って
これはアートなのではないか?
と疑ってみましょう。
それではまた!
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