【芸術実行犯】Chim↑Pom徹底解説|アートと新しい自由

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こんにちはtomoです!

今回はChim↑Pomについて紹介をしていきます。

Chim↑Pomは2022年に森美術館での大規模個展を行うなど評価の上がり続けているアート思考集団です。

もしかすると「悪ふざけのすぎるやんちゃな若者」

・・・というイメージだけで彼らを嫌煙している方もいるかもしれません。

ちょっとお待ちください!

そんな無法者が森美術館での個展をできると思いますか?

森美術館での個展を行ったのは、

過去「村上隆」「塩田千春」「会田誠」のようなビッグネームばかりです。

確かにちょっとやんちゃの香りはしますが(笑)

余談ですが、森美術館は社会と関わりの強いタイプのアーティストを扱う傾向があることがわかりますね。

このブログを読んで欲しい人

・Chim↑Pomについてよく知りたい人

・Chim↑Pomがなぜ評価されているのか知りたい人

・これがアートなの?よくわからない・・・という人

Chim↑Pomは6人のアート思考集団です。

正規の美術教育を受けたのは紅一点のエリイだけ。

アートを学び始めたばかり・・・という方はChim↑Pomのような存在を知るだけで混乱するかもしれません!

なぜChim↑Pomが評価されているのか?

というところがわかればアートをより深く理解することができます。

ぜひ読んでいってください!

この記事を読むメリット

・Chim↑Pomについてわかる

・Chim↑Pomの評価されている理由がわかる

・社会型のアートについて詳しくなれる

参考にした書籍はこちら↓

Chim↑Pomについてより詳しく知りたい人はぜひ。

彼らの思考や活動の様子が赤裸々に書かれています。

それでは徹底解説していきます!

Chim↑Pom概要

ソース

メンバーはエリイ、卯城竜太(リーダー)、林靖高(サブリーダー)、水野俊紀、岡田将孝、稲岡求の6人編成。

美大出身は女性のエリイのみ、男性メンバーは正規の美術教育は受けていません。

会田誠が2001年~2004年の間美学校で担当していた現代美術演習の講座である「バラバラアートクラス」の出身。

Chim↑Pomが公の立場としてコメントやメッセージを発する場合、卯城竜太か同集団のメンバーであるエリイが喋ることが多いです。

Chim↑Pom公式サイト↓

http://chimpom.jp/index.html

Chim↑Pom代表作

【ERIGERO】 2005年

画像を表示したい方は覚悟してリンクをクリック↓

https://tomo-artliteracy.com/wp-content/uploads/2021/04/erigero.jpg

男性メンバーたちの「イッキ」コールに合わせてノリノリでピンクの液体を飲んだエリイが、ノリノリでピンクのゲロを吐くという行為を繰り返す映像作品。フェミニズム、ダイエット、ピンクや「カワイイ」が象徴するような日本のギャル文化など、さまざまなテーマを内包しながら、エリイの高揚に伴って現場を飲み込んでいく享楽的なトランス感が特徴的である。結成当時の作品であり、予期せず「ノリ」や「パーティー」が現代のリアルなコンセプトとして Chim↑Pom に憑依した、記念碑的な作品となった。

tomotomo
彼らの初期の作品で最も手応えのあった作品だそうです!
Chim↑Pom作品の核はここにあると言っても過言ではなさそうです。

【アイムボカン】 2007年

セレブリティーに強く共感するエリイの「ダイアナ妃みたいにチャリティーをしたい」という夢を実現するために実施したプロジェクト。Chim↑Pomが約1カ月間のカンボジア滞在中に、エリイの私物である高級バッグやiPod、セレブ・ポーズのエリイをかたどった石膏像など計7点を、爆破処理される地雷とともに爆破。地雷被害児を養いながら自前で地雷撤去をする、現地住民らの協力の下で行われた。

http://chimpom.jp/project/bokan.html
tomotomo
帰国後チャリティオークションを開きます。
オークショニアはいとうせいこう氏とエリイ。
通常のオークションとは逆に値段を下げていくスタイルで展開。
ダミアンハーストのダイヤの骸骨など有名アート作品の金額からスタート!
その値段で買える義足の数も一緒に減っていくという仕組みで会場は徐々に気まずい空気に満ちていくという・・・
サンキューセレブプロジェクト アイムボカン
P-HOUSE(東京、2007年)でのオークションの様子
撮影:森田兼次
Courtesy of the artist and MUJIN-TO Production

【BLACK OF DEATH】 2007、2013年

BLACK OF DEATH (109の上空、渋谷、東京)
2007
ラムダプリント(117.5×78.5cm)
Courtesy of the artist and MUJIN-TO Production
BLACK OF DEATH 2013

空のカラスに向けてカラスが仲間を呼び集める声をスピーカーで流し、カラスの剥製を見せながら車やバイクなどで移動するゲリラアクション。捕まった仲間を助けようして集まるカラスの習性を利用し、たくさんのカラスを国会議事堂前や渋谷の繁華街に集結させた。

http://chimpom.jp/project/black-of-death.html
tomotomo
会田誠とのコラボ作品などもあります。国会議事堂などでもカラスを集めて・・・遊んでいるかのようですね〜(笑)
会田誠とChim↑Pomのカラス(森美術館)|美術手帖
会田誠 電信柱、カラス、その他 2012-13 「会田誠展:天才でごめんなさい」(森美術館、2012-13)での展示風景 撮影=渡邉修

【スーパーラット】 2006年〜

スーパーラット 2006
SUPER RAT -Diorama Shinjuku-
2016
新宿で捕獲したネズミの剥製、新宿の街のジオラマ、ほか
撮影:森田兼次
Courtesy of the artist and MUJIN-TO Production

2006年以降、スーパーラットを網で捕獲し、その剥製をアニメ「ポケットモンスター」のキャラクター「ピカチュウ」に模して黄色く着色し、展覧会ごとに異なるジオラマの中に設置。捕獲する映像とともに展示した作品。なお、「スーパーラット」とは、殺鼠剤などの毒への耐性を遺伝化させながら、都市圏で爆発的に増えているネズミの通称であり、ネズミ駆除業者による造語である。都市の中で自らを生き生きと進化させ、人間との共存を続けるスーパーラットたちは自分たち自身の肖像であり、そこに放射能汚染後を生きる日本人の姿をも見出した。

http://chimpom.jp/project/superrat.html
tomotomo
彼らの作品の中で最も有名な作品かもしれません。
それほどにキャッチーでキッチュなイメージとメッセージのある作品。
作品であり、害虫であるドブネズミは自画像としても機能する。
バンクシーも自身をドブネズミに重ねていますね!

【ヒロシマの空をピカッとさせる】 2008〜

ヒロシマの空をピカッとさせる
2009
ビデオ(5分35秒)、ラムダプリント(66.7×100cm)
撮影:Cactus Nakao
Courtesy of the artist and MUJIN-TO Production

2008年、広島原爆ドーム上空に飛行機雲で「ピカッ」と描いた作品「ヒロシマの空をピカッとさせる」の製作が社会的騒動に発展し、企画されていた広島市現代美術館での個展は中止となった。ChimPomはその騒動をまとめた検証本を出版し、さらにその後もヒロシマと核問題をテーマに多くの作品を制作。それらをまとめた展覧会を、「広島!」(2009年、Vacant 、東京)を皮切りに、「!」をひとつづつ増やしながら巡回させている。2013年には、ギャラリーGの呼びかけと広島市民たちの協力により、自身最大規模の個展として、広島での開催(「広島‼‼‼」展、旧日本銀行広島支店)に至っている。

http://chimpom.jp/project/hiroshima.html
tomotomo
広島市は千羽鶴を不燃ゴミの倉庫に保管しているそうです。
大量の千羽鶴をめぐる戦争と平和の物語の続きを描くシリーズ。
Chim↑Pomを社会派の作品に位置付けるきっかけとなった出世作でもありますね!
The history of human
2015
インスタレーション
展示風景:「SUPER RAT」(サーチ・ギャラリー、ロンドン、2015年)
Courtesy of the artist and MUJIN-TO Production

Chim↑Pomは社会型のアーティスト

Chim↑Pomは社会型のアーティストです。

会田誠という天才的な技量を持った作家を前にしていました。

もともと作品を作り込むような職人的な思想は無く、持たざる者の作家道を模索してきたアーティストです。

ビデオカメラを持ってストリートに出て行ったのは必然でした。

岡本太郎の「明日の神話」に絵を付け足す【LEVEL 7 feat.『明日の神話』】↓

LEVEL 7 feat.『明日の神話』
2011
ビデオ(6分35秒)、塩化ビニール板、紙、アクリル絵の具、ほか
200×84cm
Courtesy of the artist and MUJIN-TO Production

リアルタイムで展開する反射神経の鋭さは同時代に生きるアーティストとして戦慄しました!

原発・戦争・格差などの社会問題を等身大の彼らを通して問題提起する。

その手法が軽やかで、重いテーマをエンタメと社会問題のギリギリのせめぎ合いのバランスで突きつけてくる。

「笑えるけど、笑ってる場合ですか?」

みたいな裏切り、これを普通にやったら友達無くすと思いますが、アートだと尊敬されちゃうんです。

身体を張って覚悟を見せ続けるアーティストがやっているので凄みもあるんです。

アーティストを分析・分類するための3つの型を紹介しています↓

森美術館で2021年大規模個展開催!

会期 2021.10.21(木)~ 2022.1.30(日) 
※会期中無休

会場 森美術館(六本木ヒルズ森タワー53階)
アクセスはこちら
お問い合わせ03-5777-8600(ハローダイヤル)

月・水~日10:00~22:00(最終入館 21:30)火10:00~17:00(最終入館 16:30)

まとめ:【芸術実行犯】Chim↑Pom|アートが新しい自由を作る

今回はChim↑Pomを紹介しました。

活動の規模も大きくなり、国際的にも認められ始めた彼らのこれからにも注目ですね!

彼らが藝大の教鞭を取る・・・なんて未来もあるんでしょうかね(笑)

アート業界の利権や派閥の問題もあるので、その辺りすらも作品に落とし込んでくれそうです。

会田誠さんですら教授ではないのでその辺りはアカデミックな世界なんでしょうね。

「アートが新しい自由を作る」と言っているChim↑Pomの活動は激しいです。

とても真似できるものではありません(笑)

もちろん真似る必要はないんです。

学生の頃のぼくは、こんなふうに話題にならなきゃダメなのかと困惑しましたが、彼らの戦い方は彼らの手法であって別物です。

特に社会型のバンクシーやJR、レディー・ガガの作品の在り方に近いです。

ぼくは神秘型の作家の方なので、全然タイプが違いますね。

こうして作家の分析をしていくことで自分のスタイルが深まるところもアートの面白いところです。

それではまた!

参考にした書籍です↓

岡本太郎がテーマの映画「太陽の塔」にもChim↑Pomが出演しています↓