「勉強したくなくて美大に入ったけど何をすればいいか分からない」
「作家になることを目指しているだけでいいのか不安」
「好きなことをして生きていきたい!けど何をすればいいか分からない」
このような悩みを抱えている美大生や受験生は多いのではないでしょうか?
ぼくが受験生の頃には、考える余裕はありませんでしたが、大学に入ってから色々と不安になりました。
4年間の大学生活ではやって良かったことがいっぱい、大学生の内にやっておくべきことを教えます!
在学中はスカラシップに合格したり、賞などを多数受賞させてもらうことができました。
その後ドイツ留学を経て、いまはアーティスト、高校美術教師をしています
そう言われたこともありましたが全部無視していましたw
ぼくはなんとか国立大学に入れたので4年間で約300万円ほどの学費で済みました。
しかし、地方出身者ということで東京のたっかい家賃を払っていました(月7万円くらい)。
私立なら4年間で約800万円の学費がかかります。
学費以外も考えるとざっくり1000万円くらいはかかってしまいます。
そのほとんどを奨学金でまかなって、卒業時には借金が大量に残っている大学生は多いですよね。
美大・芸大では、浪人しても普通という空気があります(普通ではない!)。
さらに4年という時間と1000万円というお金をかけているにも関わらず、美大生たちはそれを忘れて無駄に過ごしています。
この事実に気付いたぼくは、限られた大学生活の時間の中で、できることをひたすらやることにしました。
そんな経験から「時間」と「お金」という貴重な資源を無駄にしないために、大学生の内にやっておくべきことをこの記事では紹介します。
「大学生は人生の夏休み、今のうちに遊んでおけ」と聞いたことがあるかもしれません。
しかしそれは、人生設計に失敗して大学生活以降、かがやくことのできない大人の言葉です。
大学生活が楽しいのはもちろん素晴らしいことですが、卒業後こそどんどん楽しくなるような人生を送るべきですよね。
その方法をこの記事に詰め込みました。
ぜひ参考にして未来のためになる大学生活を送ってください!
【美術史】を学んでよかった
何をすればよいのか分からなかったので、ぼくはとにかく美術館に行きました。
行っては作品を理解できず、もやもやして帰ってくることが多かったです。
もやもやした日々を送っていました。
周りには、参考になりそうな人が見当たらず、とにかくいろんな人に会うようにしました。
そこで現代アートをやっている先輩と出会い、初めて現代アートに触れました。
西洋美術の基礎的な考え方として【美術史】というものは基盤になります。
野球でいえば”ルール”です。
それまでのぼくはルールも知らずに野球観戦をしていたわけですね。
もっと言うと「野球なのかサッカーなのか分からずにとりあえず球場に行く」という状態でしたw
しかも、わかっていないことにも気付いていませんでした・・・。
そりゃあ、もやもやしますよね(笑)
【美術史】を学んでからの鑑賞は、目から鱗が毎秒1枚落ちていくような感覚でした!
アートを理解するには【美術史】の理解を深めることが1番の近道です。
このブログをぜひ活用してください!
\美術の基礎知識を分かりやすく解説しています/
≫【アートの基礎知識】美術史から最新アート事情まで楽しく解説!
【面白そうな本】をとにかく読んでよかった
大学の図書館は素晴らしい環境です!
画集は買うには高すぎるし、技法書もいちいち買っていたら破産してしまいます。
ただ、ぼくは画集はさすがに選びましたが、本にお金は惜しまなかったです。
本を買おうか迷っている友人に「本のお金より、本を読まなかった時間の方が惜しい」と言っていました。
つい経験からの職人的技量を追究しがちなんですが、1人の経験値なんてたかが知れています。
経験からすべてを学ぶには、大学生活の4年間では短すぎるんです。
本を読みましょう。
技法書を開きましょう。
それでも分からないところは、友人や先輩や教授に聞いて記録に残します(重要)。
変わったことやろうとすれば、ほとんど前例のないことの方が多いです。
しかし、用途は違うけど応用できる知識はあるものです。
年収の高い人ほど多くの本を読んでいるというデータがあります。
20代、30代のビジネスマンは1ヶ月平均0.26冊の本を読むのに対し、30代で年収3000万円の人は平均9.88冊の本を読むのだと言います。その差は約38倍ですが、アメリカの調査でもビル・ゲイツやウォーレン・バフェットのような大富豪が1日30分以上本を読むのに対して、年収300万前後の人たちの中で1日30分以上の読書をしていたのは、たったの2%しかいなかったそうです。
アートの知識を年収には転換できませんが、成果には置き換えできますね。
目に見えない情景や哲学を可視化していくには「想像力」を鍛える必要があります。
漫画家には読書家が多く、手塚治虫さんやワンピースの著者である尾田栄一郎さんも大の読書家です。
≫本を読む時間がない人や苦手な人には、耳で聴く読書がオススメです!
【美術館やギャラリー】を回ってよかった
美術館やギャラリーには積極的に行きましょう。
とにかく観て、体験して、味わってください。
ちょっと違うと思われるかもしれませんが・・・
併設されたレストランで、美味しいご飯を食べるのも大事な体験ですよ。
プロの作品を観てセンスを磨きましょう。
とか言っている生徒も多いのですが、そのたびにぼくは・・・
すでにあるものの新しい組み合わせをできるようになることが「センスがいい」の正体だよ。
「センスは磨くものだよ」と言っています!
\おすすめの美術館について記事を書いています/
≫【2021年版】東京都内おすすめ展覧会|美術館展示・開催スケジュール&アート作品
≫【美意識を高める】都内のオアシス!おすすめ美術館8選「東京都内編」
≫【要注目】小さいけど光輝く!オススメ個性派美術館7選「東京都内編」
ギャラリーでは、最新の作品を無料で見ることができます。
ギャラリーには大きく分けて2種類あります。
レンタルギャラリーとコマーシャルギャラリーの2つです。
レンタルギャラリーは、お金を出して1週間ほどギャラリーを借りて展示を行います。
最近はカフェでも展示を行うなどそっちの方が主流になりつつある印象です。
銀座には専門のレンタルギャラリーがたくさんあります。
個展やグループ展をやりたい人が企画して展示しているのがレンタルギャラリーです。
コマーシャルギャラリーはプロの戦場です。
どれだけアーティストが望んだとしても、取り扱い作家としてギャラリストが企画してくれなければ展示をすることは難しいです。
つまり、レンタルとコマーシャルでは展示の質に、アマチュアとプロフェッショナルほどの差があります。
できるだけコマーシャルギャラリーに足を運びましょう。
デメリットとしては、一軒一軒が点在していて、たくさん廻るには不都合な点も多いこと。
先にリサーチしておくことをオススメします。
ぼくは方向音痴なので、初めて行くギャラリーでは必ず迷子になりました。
いまだにたどり着けてないギャラリーもあります・・・。
それでも、苦労した分いい案内記事が書けました!
\おすすめギャラリーの紹介や廻り方を紹介/
≫【現代アート】東京トップギャラリー25選プラン提案&廻り方徹底解説
≫「美術展・ギャラリー」の効率的なリサーチ方法とは?スケジュールの立て方【実例あり】
この雑誌に毎月のギャラリー情報が集約されています↓
月刊ギャラリー
居心地のいい【コミュニティ】を飛び出してよかった
【居酒屋のバイト】を飛び出してよかった
すごくいい人たちばかりで毎日楽しくて、バイトに行くことが楽しくてしょうがないくらいに充実していました。
でも・・・3浪もして憧れの大学に入って、このままでいいのか?
そう思い、辛かったけど引っ越しました。
当時のバイト仲間とは、いまだに仲が良いです。
でも、あの時は離れて正解だったとも思っています。
そのおかげで、絵に集中できてコンクールやスカラシップに応募して結果を出すことができました!
【日本画科】を飛び出してよかった
学部を飛び出して、、、ってわけではないのですが、日本画科で日本画を描くのをやめました。
「それがなんなの?」と思う方も多いと思いますが、日本画科では「大学院を諦める、卒業できないかもしれない」くらいの大事です。
反骨精神というよりは現代アートに興味がでて・・・
「現代アートが作りたい!」
それだけでした。
そこから美術史の勉強も始めました。
そして、日本画科を超えて色んな科の人たちと繋がりたいと思い、学校の卒業制作展とは別に、学生だけで卒業制作展を企画しました。
SOTTENという卒業制作展を代官山で行いました。
ちなみに代表をやりきりましたよ。
忙しいのと慣れないことばかりで、ハゲそうでしたがなんとかやりきりました!
沢山の人に協力してもらいました。
ひとりの力の小ささを思い知りました。。。
【芸大】を飛び出してよかった
大学院には進まずに留学する道を選びました。
行き先はドイツです。
なぜドイツだったかというと、ドイツは外国人でも大学の学費が無料なんです!
ドイツの”ベルリン芸術大学”に入り直し、大学院まで出て「ドイツで生きていこう!」という計画でした。
しかし半年後・・・
「なんか思ってたんと違う」ということが多くあり挫折。
半年で帰国する方にシフトして、1年の留学期間のうち残りの半年は色々見て回ろうと近隣ヨーロッパの美術館や世界遺産などに行きました。
それはそれで、今でもいい経験になっています!
旅行と生活では全然違いました。
就職してしまうとお金はあっても、時間も自由もないので海外旅行に気軽にはいけないですね・・・。
ぜひ行けるうちに行きましょう!
\留学自体はおすすめ!興味のある方はぜひ/
≫【ドイツ留学経験者】がドイツ留学をやめた方がいいと思う理由
【ホスト】を経験してよかった
お酒に強いわけでも、イケメンでもないのに何を血迷ったか、ホスト始めました。
大学に入り、バイトをし、コミュニケーションスキルが向上しました。
それまで “陰キャ” だったのに、ぼくは急にイケイケになりました(笑)
完全に黒歴史!!
茶髪にパーマ、チェーンのついたスキニーや、やたら長いストールなどの服・・・いま昔の自分にあったら直視できません!!!
なーんかキラキラしてる襟のたったシャツとかねw
目標としては
・収入アップ
・人生経験
・コミュニケーションスキル向上
まともっぽいけど、1番の目的である収入アップはかなり厳しかったです!
ホストの世界は大本が損しない前提で運営しています。
よっぽど活躍しないと逆にお金を失うこともあるほどです。
連日のお酒と喉の弱さが仇となり、声が出なくなって出勤できなくなりました。
それまでに働いた給料を断念することでフェードアウトさせてもらいました。
2ヶ月近く声が出せませんでした。。。
スッキリとやめることすら難しい業界なので、よっぽどの興味と覚悟がないなら辞めておいた方がいいです。
従業員同士の嫉妬もすごいですね!無事にやめられてよかった。
ただ30代店長の全力のパラパラには重みを感じました。
あれは忘れられないw
こんだけ痛い目にあって「よかった」とか、負け惜しみしているわけですが、社会経験としては非常に面白かったです。
それまでに絶対に関わることのなかった人種の人たちを間近で見ることができました。
社会派ブロガーのちきりんさんも似たような経験をしていらっしゃったので、変なとこで共感することができましたw
【コンクール】や【スカラシップ】に応募してよかった
”美大生”というのは、すでに強烈な強みです。
真面目に取り組んでいれば結果は出ます!
ちょっと嫌な言い方ですみません、これはぼくのことです。
熱量があればいけます!
まず”美大生”という特権階級を意識することが重要です。
世の中全体で見れば、かなり希少な存在なので、それだけでチヤホヤされた経験もあるのではないでしょうか?
それで満足するのはもったいない!
“美大生”という特権を持っている内に行動して結果を出す必要があります。
卒業してしまうと、キャリアを作るハードルはめっっっちゃ上がります!
働きだすと、時間も無くなりますしね。
賞金をもらったり、奨学金や絵具を支援してもらったりできます!
これをきっかけにギャラリーと契約して作家になる。
というパターンが理想ですが、さすがにそれは難しいです。
しかし、少なからずそういう方もいるので、目指さない理由はないと思いますよ!!
スカラシップは大学の事務でも紹介してますし、自治体などでもあります。
10回も応募すれば2~3つは通るはずです。
ぼくの場合は、学生時代には2回に1つ以上は何かしらの結果に結びつきました。
卒業後は10回に1つぐらいです…。
現在はコンクールに出品することはほぼないです。
理由はそのうち記事にしますね。
”美大生”という大人に応援される存在のうちにぜひ行動してください!
コンクールなどの応募一覧が見れるサイト↓
登竜門:https://compe.japandesign.ne.jp/
三菱商事アート・ゲート・プログラム(貸与の奨学金)
\ぼくがコンクールに出さなくなった理由です/
【恋愛】してよかった
学生時代にはそれなりに恋愛してきました。
当時付き合っていた彼女とは結婚し、子供もいます。妻ともいろいろありました(笑)
居心地の良かったコミュニティで出会った人ですw
2度ほど別れて戻って、国際遠距離恋愛も経験しましたね。
いま思えば恥ずかしいこともたくさんありましたし、友人たちに叱られたこともありました・・・。
いやー懐かしい。
恋愛は人を動かす原動力になります。
安心安全を求めてつまらない人間だと思われるよりは、笑われたりバカにされたりしてもいいから恥ずかしがらずに行動するべきです。
恋愛を通していろんな人と関わって、たくさんの思考を体験することができました。
なんてキレイにまとめるとアホらしくなりますね、
大学生、恋愛、最高!
間違い無いです(笑)
留学直前300万以上貯金あっても、恋人いなくてめっちゃ寂しかったです!
お金があっても「夢や愛」がなかったら幸せになんかなれないです!
【教員免許】を取ってよかった
これはぼくの場合です。
「転ばぬ先の杖」としてとった教員免許ですが、おかげで今は救われています。
20代後半〜30代の生存戦略はのちの人生に大きな影響を与えます。
とはいえ、資格は取ればいいというものではないです。
資格を取って、それに縛られることで選択肢を狭めてしまうことはよくあるからです。
ぼくは学芸員の資格は取りませんでした。
美術館研修を夏休みに受ければ資格を取れたのですが、留学することを決めていたので語学学習を優先した結果です。
あるだけで使わないものにリソースをさくことは無駄です。
学ぶことは有益ですが、資格取得は必ずしも有益とは限らないのでしっかりと考えて時間をさくべきです。
学芸員資格の話をすると「もったい無い」と言われることが多いですが、全く後悔はしていないです!
使わない資格持っていても仕方がないですからね。
\美大生の就職について興味のある方はこちら/
≫美大生のための【就活ツール】就職について情報収集する方法は?
たくさん【映画】を見てよかった
高校生の頃から映画は好きでずっと見てきました。
美術大学に受験を決めた頃から、毎週1〜3本は見ていましたし、ツタヤの100円キャンペーンなどでは必ず借りていましたね。
当時はAmazonプライムやNetflixなどありませんでしたから、いちいち借りて返してと、健気にがんばっていましたね。
映画の知識は作品制作のアイデアの源として今でもぼくの中に息づいています。
1人の人間が思いついたり、考えたり表現できるアイデアは、すべて既にあるものの新しい組み合わせに過ぎません。
つまり情報量が足りなければ面白いものなど作れるわけがないのです。
第一線で活躍する人たちの知識量は凄まじいものです。
まずはありとあらゆるジャンルの作品を見まくりましょう!
その中で自然と惹かれるものに気づくはずです。
ただ見るだけではなくアウトプットも忘れずに!
SNSでもいいですし、ノートに残すのでもいいです。
とにかく言語化して分析すること。
いったい自分は何に惹かれて、どう感じたのか言語化する。
その繰り返しが自分を作っていきます。
▼まだAmazon primeに入っていないという方はこちらからどうぞ▼
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まとめ:最高の大学生活を送ろう!
ここまで大学生活の中でぼくがやってよかったことを挙げてきました。
長々と書いてきましたが、まとめると・・・
「色んなことに挑戦して自分だけの大学生活を楽しもう!」
この文章を読んでくれた人が最高の大学生活を送れることを祈っています!
どんどん新しいものが出てくる世の中で、変化に強い人間になって社会を楽しく渡っていきましょう。
そのための思考法なども発信しているので、良かったら読んでください。
ではまた!
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こんにちはtomoです!ぼくは東京藝大を2013年に卒業し、現在は高校美術教師をしつつブログを書いたりデザインの仕事をしたりしています。今回は、美大生あるあるを書いていきます。そんな疑問を解消できる記...